第427回 中学校修卒業式と高等学校修業式
本日は、今年度のしめくくりに当たる重要な一日です。
始めに中学校の修卒業式を実施しました。学園歌斉唱、中学1年生および2年生の修業証書授与、中学3年生の卒業証書授与、3学年の皆出席賞授与と成績努力賞授与、中3の私立中高連合会賞授与、校長式辞を行いました。
次に高等学校の修業式を実施しました。学園歌斉唱、高校1年生および2年生の修業証書授与、皆出席賞授与、校長式辞を行いました。また中高ともに、部活動関係の受賞者や漢字検定試験の優秀者の表彰も行いました。
中学・高校の各クラスも本日が最終日となりました。一年間同じ教室で生活してきた級友ともこれでひとまずお別れとなります。担任の先生からは、この一年間を振り返っての思いやまとめが語られ、来年度へ向けてのメッセージなどが送られたことでしょう。中3のクラスでは更に特別の思いが寄せられます。大部分の諸君が内部進学しますが、新しい進路へ旅立つことになる諸君もいます。ここまで築いてきた仲間の絆をこれからも大切にしてほしいものです。
成績データや学年・学級の通信、連絡の配布物などが渡されました。春休みの宿題もそれなりにあることでしょう。この貴重な春休みを大切にすることが求められます。この一年間を十分に振り返り、様々な教材やテスト・プリント類を復習・整理し、次年度の学習へ向けての助走に努めて欲しいと思います。
最後に、それぞれの式における校長からの話を紹介させて頂きます。
【中学修卒業式】
皆さん、おはようございます。本日で今年度の学校生活はひとくぎりを迎えます。そして中学3年生の皆さんは、中学校卒業という大切な節目を迎えます。改めてご卒業おめでとうございます。
皆さん、昨年の今頃はどうだったかを思い出してみましょう。あの東日本大震災が起きた直後でした。中3や中2の皆さんは年度末の様々な学校の予定がなくなり、自宅待機してもらいました。中1の皆さんは、中学入学を前にして、さぞ心配が募っていたことでしょう。被災地から刻々と伝わる被害の実態に驚きを重ね、計画停電の実施もあって本当に不安な毎日を送っていましたね。
あれからもう一年が経ちましたが、大震災と原発事故が社会へ与えた影響は底知れないほど巨大なものです。以前の時代に戻るのでなく、実は全く新しい時代へ移行したのだ、と私たちは受けとめる必要があります。その中で広く社会を見渡し、自分の将来について考えていく課題が皆さんにはあります。遠い先のことにも思いをはせながら、まず目の前の小さな課題から一歩ずつ、前向きに取り組んで欲しいと思います。
今日のお話の中心は、この春に学園高校を卒業した先輩達のことです。校舎の入口に掲示がありますが、いっぱい合格の短冊が並んでいますね。今回の大学受験で、先輩達は過去最高の合格実績をあげました。知っている先輩達の名前を見つけた人たちも少なくないことでしょう。一例を挙げれば、明治大学に40名、早稲田大学に33名、立教大学に28名などなど、しかもほとんどが現役合格です。高校生になってグングン実力を伸ばし、難しい大学に合格した先輩達がものすごく多かったのです。それもクラブ活動や学校行事や生徒会活動、また特活や海外セミナーで懸命に頑張った諸君が、次々と難しい大学に現役合格を果たしました。いろいろな活動で頑張った経験もみんな生かして、受験勉強のエネルギーを高めて、努力を続けて、合格~進学の夢を実現したのです。
先輩達の間に浸透したスローガンは、「こだわりの第一志望校」でした。自分の進路目標を明確にして、一番行きたい学校に進学しよう。友だちも頑張るから、俺も、私も頑張ろうというつながりや支え合いがあったのです。
東大に現役合格した、ふたりの先輩のことを紹介しましょう。二人に共通していたのは、学校の授業が終わった12月以後も毎日朝早くから登校して、学校で勉強している姿でした。通い慣れた自分の教室で取り組むのが、一番はかどると話していました。仲間達といっしょに黙々と独学で、最後の追いこみに励んでいたのです。
皆さんも数年後に迎える大学受験の挑戦は、スポーツや芸能の団体戦に似ています。目標を共有して取り組む運動部や文化部の世界と同じように、仲間と共通の目標を持ち、堅いスクラムがあった方が、最後まで頑張れきれるものです。お互いの健闘を支え合う雰囲気が育つことで、最後まで目標を下げずに粘りきれることを、先輩達は証明してくれました。
昨日は、あとに続く高校2年生の先輩を対象に、卒業生諸君によるホットな「合格体験講演会」と「個別質問会」が設けられました。とても大きな刺激となり、激励になったようです。
今年卒業した先輩達の学年は、中学時代にはいろんな事件やトラブルも経験しています。うるさい授業があると問題にされたこともありました。そんな苦労も経て、その先の学校行事や部活動、特活、学年の日などを通して、先輩達は学年の中の協力関係や友だちの輪を広げていきました。そしてどこかでそれぞれが目標を見い出し、本格的な勉強を始めました。ずっと成績がパッとしなかったのに、どこかで俄然やる気を出して成績を伸ばしていった先輩達のドラマもいろいろありました。
しかし皆さんにとって、大学受験という関門はまだ先のことです。まず大事なことは、目の前の学習課題、生活の課題を大切にすることです。まずはこの貴重な春休みを、どう生かすかが問われます。この一年間を振り返りながら、これまでの教材やプリントを自分で整理しましょう。自分の机の周りや部屋を、しっかり整頓しましょう。新しい教科書に名前を書いて、そのページをめくってみましょう。春休みの宿題にていねいに取り組むことが、まず大切です。そしてそれにプラスして「これだけはやっておこう」と決めた復習や予習をきちんと実行できると、大きな弾みになります。4月からの新年度に備えて、自分なりの助走をしておくことが必要です。一人ひとりの自覚と実行を求めておきます。
一年間、学校生活を共にしてきたクラスメイトとも、本日でひとまずお別れです。新年度のクラス替えへ向けて、不安も期待もあると思いますが、クラス替えは、学年全体のつながりを広げる大切な機会にもなります。学年の仲間との接点や絆は、これからも様々な体験や交流を経て深まっていくのです。今日は、周囲の人たちにいっぱい声をかけて、さよならしましょう。
それでは皆さん、充実した春休みを過ごして下さい。
4月に、そしてまたいつか、元気でお会いしましょう。・・・・・・以上です。
【高等学校修業式】
皆さん、おはようございます。本日で、今年度の学校生活は、また大きなひとくぎりを迎えます。
昨年の今頃は、東日本大震災の直後でした。年度末の学校の様々な予定はキャンセルせざるを得ず、自宅待機してもらいました。刻々と判明する凄まじい被害の実態に言葉を失い、計画停電の実施もあって本当に不安な毎日を送っていました。あれから一年が経って今日があります。大震災と原発事故の影響は底知れません。前の時代に戻ったようで、実は新しい時代へ移行したと認識すべきでしょう。その中で皆さんには、広く社会を見渡しながら自分の遠い将来について考えていく課題があります。そして目の前の小さな課題から一歩ずつ、誠実に前向きに取り組んで欲しいと思います。
今日のお話のメインは、この春学園高校を卒業した先輩達の奮闘です。校舎の入口に掲示がありますが、今回の大学受験で先輩達は、「圧倒的な大躍進」と呼べような素晴らしい成果を挙げてくれました。一例を挙げれば、明治大学に40名、早稲田大学に33名、立教大学に28名などなど、しかもほとんどが現役合格です。当然だろうなという先輩もいますが、あの先輩もここに受かったんだ!と驚く先輩もいるかもしれません。実は高校生になってその後半にグングン実力を伸ばして、難関上位大学に受かった先輩達がものすごく多かったのです。それも、クラブ活動や学校行事や生徒会活動、また特活や海外セミナーで懸命に頑張った諸君が、次々と現役合格を果たしていることに気づきます。その経験も全部生かして受験勉強のエネルギーを充実させ、粘りきったことに感嘆するばかりでした。
学年で掲げたスローガンは、「こだわりの第一志望校」でした。自分の進路目標を出来るだけ明確にして、一番行きたい学校に絶対進学しよう、という言葉です。その進学先を専門学校と決めた人もいますが、大部分の諸君はあこがれの上位難関校に的をしぼりました。そして友達どうし励まし合い、あいつも頑張るから俺も私も頑張るとの連帯が支えになりました。そして強気の出願を記念受験にせず、ついに夢を実現したのです。
今年東大に現役合格した、ふたりの先輩のことを知る諸君も多いことでしょう。
二人に共通していたのは、12月以後も毎日朝早くから規則正しく登校し、学校で勉強している姿でした。通い慣れた自分の教室で取り組むのが一番はかどると言って、独学を基本に、仲間達と励まし合って最後の追いこみに励んでいました。「大学受験のたたかいは団体戦だ」という名言があります。厳しいスポーツなどの世界と同様に、仲間との堅いスクラムがあった方が最後まで頑張れきれるのでしょう。先輩達は団体戦の雰囲気を深めながら、お互いの健闘を支え合っていたのです。
昨日高2諸君を対象に、さっそく卒業生諸君によるホットな「合格体験講演会」と「個別質問会」が設けられました。先輩達は本当に詳しく受験勉強の足取りを語ってくれました。7名の先輩それぞれの説明と助言は、たくさんのヒントに満ちていて、これからの戦いへ向けて最高の激励になったことと思います。
来月から、ここにいる皆さんは、高2そして高3へと進級します。大学受験へ向けた本格的な取り組みには、最低2年間の集中した、地道な受験準備が必要だと言われます。諸君に改めて問いかけます。君はいま「こだわりの第一志望校」を持っていますか。将来にそれぞれ充実した生活と幸福を築くために、自分にふさわしい進路の目標をしっかりとつかんで欲しいと思います。その通路にある進学先の目標をくっきりと強く掲げて頂きたいです。先輩達は、その意志を明確にして努力を継
続すれば、どんなに遠そうに思える目標も射程範囲にとらえ、ついには届くことが可能であることをいっぱい証明してくれました。ここにいる高2と高1の皆さんにも、間違いなく底知れない力があります。あとに続く素晴らしい皆さん達が、先輩達のエネルギーを受け継いで頑張ることを、これからの大健闘を信じています。
まずは、この貴重な春休みからです。ここでどんな振り返りを行い、新年度へ向けてどんな助走をしていくのか、一人ひとりの自覚と決断が問われています。大まかでいいので、長期的な計画を立ててみましょう。そして目の前の小さな課題から一歩ずつ丁寧に、地道な学習に着手していきましょう。あやふやな基本を理解し直し、時間をかけて練習や反復や点検を積み重ねていくことが大切です。学問に王道はありません。皆さん、来年度の大躍進につながる助走を心がけて、充実したメリハリのある春休みを過ごして下さい。
それでは4月に、また元気でお会いしましょう。・・・・・・以上です。
この一年も校長通信をお読み頂きまして、誠にありがとうございました。
また4月の新年度開始に沿って再開したいと存じます。ご感想やご意見などお寄せ頂ければ幸いです。それでは皆様どうかお元気でお過ごし下さい。