第405回 湘南学園の所在地~藤沢市鵠沼について(2)

2012年2月18日

 藤沢市は、南北に長い大きな都市であり、私は一番北の「長後駅」を通勤の最寄りにしています。「鵠沼」の地域は、JR東海道線を境にして南部中央に広がる地域ともいえます。

 この地域は、1887年東海道線開通、1902年江ノ電開通を機に、海水浴場や計画別荘地としての開発が進み、人口が急速に増加したそうです。
 更に1923年の関東大震災を機に、都内から政治家・官僚・企業家・将校や文化人などが好んで続々とこの地域に転居し、以後は高級住宅街の色彩も強まりました。
 一等地・江の島が近く、クロマツの木が生い茂る起伏の少ない鵠沼の地は、高度経済成長期以後、校外住宅を求めて移住した世代とその二世・三世の人たちが住民の中心となりました。地域の治安の良さも定評のあるところでした。住民の方々はずっとこの地域の保全と美化に努めてこられました。建蔽率や建造物の高さ・色彩などにも厳しい規制が保たれる地域です。

 最近では、世代交代の波も感じられます。歴史を感じる大きな邸が取り壊されて、いくつもの分譲住宅が新たに建設される風景が、毎日の通学路でも見受けられます。
 それでも私にとって約30年間、通学路のおちついた景色はほぼ変わっていません。季節の花や実や緑の美しさに癒され、信号ひとつない道をまっすぐ歩き、鵠沼海岸駅からは「100%座って帰ることのできる」通勤環境に感謝しています。多くの生徒諸君にとっても将来、きっと懐かしい通学路の想い出が残ることでしょう。