第1341回 園児から学ぶ高校生 ~学園幼稚園実習から
高校生が学ぶ「遊びの達人」
湘南学園は、幼稚園、小学校、中高からなる総合学園として、1933(昭和8)年の幼稚園、小学校の開設以来、戦後の新制中学校、高等学校の併設を含めて、84年の歴史を刻んでいます。
先日、この総合学園の特徴を生かした取組みの1つ、高校2年家庭科による「学園幼稚園実習」が行われました。その実習内容は次の3点です。
1つは、幼児との触れ合い体験に関心を持って取り組むことができること
2つは、幼児の発達に応じた遊びやかかわり方を工夫することができること
3つは、自分なりの観点に従って幼児を観察し、整理することができること
さあ、幼稚園にむけて出発です。中高エリアから幼稚園エリアは中央に位置する中高グラウンドエリアを挟む形で立地していますから、まもなく到着しました。
実習にあたり幼稚園の先生からは、園児たちはいま言葉を覚えていく時期でもあり、実習生の高校2年生の皆さんには、丁寧な日本語をつかっていただきたい、マナーを正しくというお話がありました。
このお話をうけて早速高校生の皆さんが気を使ったこと、それは入室時の自らの靴をきちんと並べることでした。きちんと一列に並べられた靴は、園児たちから見ても、気持ちの良い光景に映ったことでしょう。
さて幼稚園実習の高校2年生は、二手に分かれてそれぞれのクラスへ移動し、自己紹介や歌の練習などを楽しく始めました。が10数歳年齢が離れた園児への「言葉がけ」に戸惑っている風でもありました。この「戸惑い」も大事な実習課題の1つであることを感じ取ってくれると良いでしょう。それは将来「育児」に係る可能性のある一員として得がたい体験になるからでもあります。
当日は、七夕にむけて、園児たちのそれぞれの願い事を高校生の皆さんが一人ひとり聞いて、それを短冊に記し、七夕飾りとして飾りつけました。「もっと高いところにつけて」といった園児からの要望に耳を傾けながら、あっという間に家庭科幼稚園実習は終了しました。
園児たちの「お願い」はきっと適うことでしょう。実習を終えた園児そして高校生の皆さんの顔は、実に穏やかに映ったと感じたのは私一人ではなかったようです。