第1355回 湘南学園創立84周年を迎えるにあたって

2017年11月17日

~創立期に想いをはせ、「建学の精神」への深い理解を~

 2017年11月15日に、湘南学園は創立84周年を迎えました。
 改めて、これまで湘南学園を支えていただいたPTA、同窓会、後援会そして地域の皆様のご理解とご支援に対しまして、心からの感謝の気持ちをささげます。
 
 <建学の精神>
  個性豊かにして身体健全

  気品高く社会の進歩に貢献できる

  明朗有為な実力のある人間の育成
 
 手元にある『湘南学園五十年の歩み』によると、1930年代に入り、藤沢市鵠沼という風光明媚で相模湾に臨んだ地は、明治以来の別荘地に加え、永住地として住まわれる方の増加が進みました。そこで一番問題になったのが、「よい医師とよい学校」でした。
 
 そうしたなか、鵠沼在住の有識者の一人、藤江永正氏がご母堂の知り合いであった玉川学園園長の小原国芳先生のご理解とご協力をいただき、別荘の2階(幼稚園園庭の一部)で、創立の産声を上げました。その開校式に集まったのは、「小学校入学児3名」であったといいます。そこには、「玉川分園」と「湘南学園小学校」という2つの表札が掲げられていました。教育環境に求められる椅子、机、ピアノ等は小原園長が玉川学園より持参されたものということです。
 
 その後、学園の名が地域に知られるようになると、転入児童も増え、小学校在籍児童8名、幼稚園園児20名になり、11月15日に安部政次郎氏が初代設立者となり設置許可申請を行いました。よってこの日をもって、湘南学園創立記念日としているのです。
 
 むろん湘南学園のその後が順風満帆に行ったわけではありません。戦争に向かう厳しい時代状況の中にあって、湘南学園が目指す「全人教育」を「私学教育」のなかでどうつくりあげていくのか、時代に向き合い、あるべき教育論をたたかわし、その狭間で真剣に悩み、児童・生徒の全面発達のために心血を注ぎ取り組んでいきました。
 
 戦後、学制改革をへて新制中学校、新制高等学校制度がつくられ、それぞれ湘南学園中学校が、そして湘南学園高等学校が発足し、今日のような幼稚園、小学校、中学校、高等学校を併せ持つ総合学園としての湘南学園が確立したのです。
 
 いま私たち学園関係者は、創立期に想いをはせ、あるべき社会が求めるであろう教育を想像し、それにつながる教育実践・教育研究を一歩一歩進めて行こうと決意を新たにするのです。