第350回 高校1年生の特活~今年のテーマは「いのち、輝かそう」

2011年11月21日

 本日、高校1年生は、終日の特別教育活動(総合学習)で、学校外の様々な団体や施設を、テーマ別の班行動で訪問します。ここまでの取り組みについてじっくりとご紹介したいと思います。

 高1特活の今年のテーマは、「いのち、輝かそう」です。3月の東日本大震災により2万人を超える大切な人命が失われた中で、こんな時こそ自分達ひとりひとりのいのちの重さを見つめ直そう、という願いを込めたテーマです。
 活動期間は6月から12月までたっぷり半年間をかけた取り組みです。夏休み前までは、「いのちの誕生」の場面にスポットを当てた研究を進めました。夏休み明けから来月にかけては、「人のいのちが大切にされる社会とは」という視点で、より幅広い観点から様々なアプローチができるようにテーマを広げ、各自の興味・関心・問題意識に合わせたフィールドワークに取り組む流れが組まれています。

 高校生として主体的に取り組むスタイルが大切にされています。まず、各クラスから選出された特活委員会の諸君が、春から放課後や昼休みに会合を重ねました。独自の学習会も行い、ガイダンスの準備を始めました。委員会では「生命の神秘と奇跡を学ぶ」ことを出発点に、「生命の誕生にまつわる問題」を話し合い、各委員はレポート発表を担当してクラスでの学習活動の計画を立てました。
 調査テーマに挙げられたのは、「人工中絶」「妊娠から誕生までの流れ」「性感染症」「生殖異常」「生命操作」「妊娠、出産時の病気や障害」「胎児の障害や病気」「避妊」の8テーマです。6月20日の学年集会では、映像を使ったポイント解説や、深刻な実状に直面した若者を扱う書籍の朗読、調査テーマの発表を行いました。これを受けて各クラスで班分けや資料リストの提示が行われます。その後班員達は協力して調査を進め、7月1日に発表会を行いました。
 どのクラスにも専門の先生方をお招きし、グループ毎にコメントを戴くスタイルが取られました。各クラスの発表の様子を巡回しましたが、男子と女子が一緒にこのテーマに向き合い、対話と相互理解を深める様子に感銘を受けました。クラスの仲間の発表や、コメンテーターの先生のお話をきちんと聞く雰囲気が素晴らしく、いろいろと総合的に学び深める機会となりました。各クラスの班分担で作成されたレジュメも、なかなか充実した内容でした。

 その後「いのちが脅かされる様々な状況」に切り込む、後半の取り組みが始まります。特活委員会では「犯罪」「医療」「食の安全」「心の病」「薬物」「環境(災害)」という6つの大きなテーマを設定しました。学年の生徒諸君はそれぞれ関心の強いテーマを選び、今度はクラスの枠にとらわれず5人程度の班を自主的に編成しました。各班ごとに、より具体的な研究テーマをどうするか、そのお話を伺うならばどんな専門家や団体を訪問すれば良いかと話し調べて、「アポイントを取る」という大変な、でも大切な準備に入りました。
 当日の午前に1か所、午後に1か所、計2か所の訪問先の確定が、各班のその後の課題となったのです。(明日へ続く)