第1366回 同窓会とのコラボ企画「キャリア講座」開始

2018年2月16日

~限りない可能性を秘めた海を鵠沼から考える~

 厳冬のなかにも季節の到来を感じる木々がその蕾を膨らませ始めました。紅梅も春近しと告げています。そうしたなか、学園生のお出迎え、公立小中生やお散歩途中の近隣の皆様へのご挨拶を早朝より行うことを日課としていますが、四季の移り変わり、子どもたちのしぐさのなかに小さな発見をする毎日です。

 さて、湘南学園の卒業生の様子は、学園同窓会報「シーサイド」をご覧いただくとお分かりのように、世界と日本で大いなる活躍をされています。2018年11月、湘南学園創立85周年を迎えるにあたり、学園中高と学園同窓会がコラボして、学園らしさ満載の「キャリア講座」を開始することになりました。このコラボ企画「キャリア講座」の開始にあたり、同窓会役員の皆様のご理解とご支援をいただいたことを御礼を込めてはじめに記しておきます。

 10年後、20年後の世界では、いま存在しない職業に65%の方々が就かざるをえなくなり、AI(人工知能・ロボット)の役割が大きくとって代わると見通されるなか、就学世代をお持ちの保護者の皆様には、大きな不安を抱かれていることでしょう。そうしたなか、これまでの「キャリア教育」に代わる、新たな「キャリア教育」の理論と方法が求められる時代が訪れたと思わざるをえません。そこで有効なのが、10年後、20年後の世界と日本を想像し創造する人としての総合力であり、その力は「湘南学園ESD」教育につらなるものと確信しています。「湘南学園ESD」教育を基調としたあるべき歴史社会とそこにおける自身の役割を、想像し創造する「キャリア教育」こそ、湘南学園ならではの新たな時代を引き出す「キャリア教育」と考えているのです。

 そこで第1回目にお招きしたゲストスピーカーは前田洋作さんです。前田さんは湘南学園卒業後、東京海洋大学に進学され、その後国立研究開発法人海洋研究開発機構(JAMSTEC)に勤務され、海底広域研究船「かいめい」の建造プロジェクトに参画しました。現在は各種観測機器の運用・研究開発に励んでいるお話もされ、参加した生徒の皆さんの興味を、ご自身が深海調査に関わった動画などを使い、引き出しているようでした。前田さんは、高校2年の時に漠然と考えた「海」が現在までのキャリアのキーワードになっているといいます。
 講演に続く後段は、ワークショップです。お題は「水中にとどまる機体を作って欲しい」というもの。グループに分かれ、議論が交わされて、試行錯誤が始まりました。

 湘南学園から2km足らずで鵠沼海岸です。相模湾を前に、限りない可能性を秘めている海を考える機会になりました。