校長通信・第1370回 信頼し合える仲間がそこにいた
2018年3月16日
~第66回 湘南学園高等学校卒業式~
2017年度湘南学園高等学校卒業式が、春の香りが感じられるなかで行われました。
前後期中等教育を、この湘南学園中学校高等学校で修了し、この4月から、それぞれの思い描いた進路にむけて旅立つその日、卒業生一人ひとりの晴れやかな表情のなかにも、きりりとした決意、気持ちの昂ぶりがみてとれました。
私は、卒業年度の学年の特徴を式辞において、次のように述べました。
皆さん、あなた方の学年は、温かい学年ゆえ、誰でもリーダーになることができた学年であったように思います。生徒会行事である「新体育祭」「学園祭」「合唱コンクール」、また「研修旅行」など、様々な課題や困難のなか、それら一つひとつ、真摯に取り組み、より良いものを作りたい、そのためにしっかり話し合いたい、議論を重ねたい、そうしたなかで、方向性を定め、方針を確定し、みんなで支える「リーダー」を生み出し、一歩一歩進んできました。つまづいたり、困っている仲間を決して見捨てたり、切り捨てたりしない、わが事のように一緒に悩み、考えることができる仲間たちでした。
取り組みの終了した後も、「振り返り」を欠かさず、その成果と問題点を明らかにし、次の課題につなげていきました。どんな提案もみんなで協力し、どんなことでも受け止めてくれる安心感のなか、「協力と協働が実る学年」に成長したのだといえます。
一人ひとりの個性を尊重し、異質の他者との対話を通じて、その多様性を力に変え、「協力と協働」を通じて、皆さんが目指すべき目標につなげ、小さくも意味ある成果として実らせてきた経緯がここにあります。この経験から獲得してきた「人としての総合力」こそ、皆さんにとって、大事にしてもらいたい、さらに磨きをかけてもらいたい、皆さんが、求めるべき歴史社会を「想像し創造する力」のベースになるものであると確信します。
そしてこの背景には、湘南学園中学校高等学校がユネスコスクール加盟校であること、そして中高が目指している地球規模の諸課題に若者たちが、考え、応えることができる、「持続可能な未来の担い手」を育てる「湘南学園ESD教育」のプログラムが展開され、広い意味でそれと連動していることを理解して欲しいのです。
(抜粋)
卒業生の皆さんには、”自分が求めるべき「歴史社会」とは何か”について、自らの進路に結び付けて、記述しなさい。”と言いたいのです。そして「歴史する眼」を忘れずに、「協力と協働が実る世界と日本」に向けて、思考を絶やすことのないように、深く現実に関わり仲間と結びつきましょうと。