4月10日、中高の始業式が行われました。新しいクラスが発表される日ですから、生徒諸君にとって期待と不安で一杯だったことでしょう。
さて、生徒諸君!いよいよ新しい1年の始まりです。目標を持ち、チャレンジ精神を大切にして過ごして欲しいと願っています。
私は、この始業式で「自分の身のまわりの人々から得られるものを大切にすること」をテーマにお話をさせて頂きました。これまでを振り返ると、生徒諸君から教えてもらったことや、保護者の皆様からご助言頂いたこと、そして同僚から得たものがたくさんありました。そうした一つひとつのことが私の宝物になっていたのだということに気づいたのです。自分に対してメッセージを送ってくれる人の言葉を一生懸命に聞くことが大切なのだと思いました。
さて、この朝礼のときに立派だと思ったのは、生徒諸君の「聞く態度の素晴らしさ」でした。「やはり、湘南学園の生徒諸君は品位がある・・・」と思いました。
彼らは、将来きっと立派な大人になります。
【始業式の校長挨拶】
皆さん、おはようございます。
この4月より校長を務めることになりました、木下貴志です。どうぞ宜しくお願いします。
まず、簡単な自己紹介をしたいと思います。1962年生まれ。年齢は56歳です。自宅は二宮です。
1984年4月、英語の教師としての人生がスタートしました。以来34年間、ずっと担任や副担任の任務に就いていましたので、いわば現場育ちの教師なのです。
34年間、ずっと現場にいたのです。ですから突然校長になって少し戸惑うところもありますし、居心地の悪さを感じています。私には向いていない任務なのではないかと思うほどです。
ただ私には、34年間の現場暮らしの中で得たとっても大切な宝物があります。それは、たくさんの生徒諸君に出会って、彼らからたくさんのことを学ぶことが出来たということです。これはわたしの人生の宝物です。そして次に、ずっと私の同僚でいてくれた先生方です。湘南学園の先生たちはとても魅力的です。私が持っていないものを先生たちはたくさん持っています。素敵な先生たちと一緒に仕事することが出来たのが2つめの大きな宝物です。
私には、輝かしい業績も経歴もありません。ご覧の通り、なんだか威厳もないようです。ただ、出会った素晴らしい生徒諸君や魅力のある仲間の先生方から学んだ宝物がたくさんあるので、その宝物を皆さんにお伝えしていくことも私にできることなのではないかと思っています。私はそんな校長としてやっていきたいと思いました。
では、本日、さっそくその一つ、お話をさせて下さい。
みなさんの中には、この出来事を覚えている人もいるのではないかと私は思うのです。私は、その瞬間を今でも鮮明に覚えています。
それは、昨年の春の出来事でした。
このように全校の生徒諸君が集まる中で、生活指導主任に着任されたばかりの原先生が、皆さんを前にしてこのようにお話をされました。
「私も、初めてみなさんの前で、こうして緊張して話をさせてもらっています。でも一生懸命に話しているつもりなので、みなさんも一生懸命に聞いて欲しい・・・」と、原先生はおっしゃいました。
どうですか?みなさんの中には、このことを覚えている人も結構いるのではないですか。この原先生のお話が、生徒諸君の心の中に「すっ」と入っていくのが分かりました。私の心の中にも入ってきました。このまっすぐな言葉に心を打たれたのです。
私が、この日、原先生から学んだ事は、こういうことです。
「飾らず、作らず、ごまかさず、素直に自分の弱さを認め、かつ一生懸命に立ち向かっていくことが大切なんだ」ということです。
自分の弱さを認める勇気、率直に自分の考えを伝える勇気、そういう気持ちをもつことは素敵なことなのだ、とあらためて私は思いました。
私には、いろいろなことを教えてくれた仲間の先生方がたくさんいます。いろいろなことを教えてくれた生徒諸君がたくさんいます。自分の周りには素敵な人たちがいるので私は幸せです。みなさんの周りにもきっといますよ。その人たちから何かを学ぶことが出来たら、きっと幸せになれるのではないでしょうか。
私のお話は以上で終わりなのですが、ひとつお知らせです。
みなさん、校長室に来ませんか?
水曜日のお昼休み限定となりますが、昼休みになったら校長室のドアを開けておくのが合図です。ドアが開いていたら遠慮なく来て下さい。
「校長と話がしたい」ということで来てくれたり、仲良し3人組で来て、私と一緒にお弁当を食べるのもいいですね。静かに本を読みたいのでいいですか?・・・というのもいいですよ。
但し、一つだけ守って下さい。
ドアが閉まっている時は、ご遠慮下さい。ノックもしないでください。校長室の中では、とても大切な打合せをしていることがあるのです。ドアが閉まっている時はどうかご配慮下さい。以上です。