第305回 「敬老の日」を前にして~これからの日本

2011年9月17日

 「敬老の日」は以前は「9月15日」でした。法改正で8年前から「9月第3月曜日」に移りました。戦後初期に兵庫県のある村が行った「としよりの日」が県全体、全国へと普及し、国民の祝日に加わったそうです。

 日本は世界有数の長寿国です。先日の報道では、全国の100歳以上の高齢者は4万8千人近くいらして、その約87%を女性が占めるそうです。高齢者をめぐる悲しいニュースが続いていますが、人生の最後の時代が出来るだけご家族や周囲の人びとの温かなサポートに恵まれることを願うばかりです。

 一方で日本は国際的に見ると、「世界一の高齢社会」でもあります。65歳以上の人口が総人口に占める割合は、昨年データで23.1%。他の先進国ともかなり差があります。7%の「高齢化社会」から14%の「高齢社会」までフランスでは114年、ドイツやイギリスで40数年、アメリカで69年かかりましたが、日本では1970~1994年までたった24年で到達しました。

 かくいう筆者も55歳です。はるか先と思っていた「高齢者」はそう遠くはないところに見えてきました。大きなスーパーとか書店へ行くと、あちこちに通行人が座るスペースが増えてきて、私も時々恩恵に預かります。先日も昼間のひととき、定年後と思われる男性の先輩達が休憩コーナーで大勢座って時を過ごされる光景に出会いました。街や駅でも時々社会の趨勢を感じます。
 私の母方の祖母は90歳代半ばまで生きました。しかし両親は60歳前後で亡くなりました。まずその年齢はそれぞれ軽々と越えて、「健康寿命」をそれなりに先まで維持するのが、いま個人的な願いの基本です。

 中高生諸君には、何を伝えるべきでしょうか。身のまわりの高齢者、縁あって関わったお年寄りを大切に、いろいろと進んでフォローして下さいね。とまず伝えたいです。
 そして、保守的な表現かもしれませんが、「君もいずれ、すてきな家庭を築いて下さいね」、は大切な呼びかけです。結婚はいいよ。結婚はできるよ。折にふれて力説したい命題です。
 自分はひとりっ子として育って、わが子はふたりに恵まれました。親としての関わりはしんどい部分もあるけど、子育ては奥深い楽しい世界でもあるよ、と伝えたいです。

 日本の少子高齢化がゆっくりと一定のおちつきに至ることも大切な社会の目標です。全国の各地が元気になり、温もりのある経済の循環がもっと育ち、新たな価値観が浸透することとつながる課題だと思われます。