第1395回 研修旅行
湘南学園高等学校2年生では、毎年「コース別の研修旅行」が実施されています。修学旅行ではなく、研修旅行なのです。
「意義と学びのある研修旅行にしよう・・・」というのが、本校研修旅行の基本です。
価値ある研修旅行を実施するために、本校の生徒諸君たちは懸命に旅行プランを考えます。
「安易な前年度踏襲は許さない伝統」があるのではないかと思えるほど、この研修旅行はユニークであり、中身が濃く詰まっているのです。
今年は、北海道、北陸、関西、山陰、四国の5コースに決まりました。
さて、本日の校長通信では、四国コースをご紹介します。
このコースには、明確なテーマが設定されています。
テーマ:「四国の名所とSDGs」
では、このSDGsのお話に入る前に、本校の教育の柱についてご説明します。
湘南学園には、ESD(持続可能な開発のための教育)という柱があります。このESDを一本の木に例えてみたいと思います。
ESDという大きな幹から、教科教育、キャリア教育、総合学習、グローバル、食育、自治活動といった枝が伸びていきます。学校で行われているすべての活動は相互にかかわりを持っている(横断している)というイメージでご理解いただければと思います。
そしてこの中の総合学習では、高校2年生での取り組みの中心にSDGs(Sustainable Development Goals=持続可能な開発目標)が据えられています。SDGsを中心として地球規模の課題に目を向け、その背景やさまざまな現実を探りつつ、問題解決の方向性を考えるわけです。
さて、この四国コースの説明にもどりましょう。
実は、この四国コースですが、研修旅行5日間の日程の中に、常にSDGsのテーマが存在するのです。
研修旅行1日目
🔴訪れるところ:阿波踊り会館、阿波木偶人形会館、阿波十郎兵衛屋敷
合致するSDGsのテーマ:
8.「働きがいも経済成長も」
9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」
研修旅行2日目
🔴訪れるところ:上勝町
合致するSDGsのテーマ:
11.「住み続けられるまちづくりを」
事業①:葉っぱビジネス
合致するSDGsのテーマ:
9.「産業と技術革新の基盤をつくろう」
12.「つくる責任 つかう責任」
事業②:ゴミステーション
合致するSDGsのテーマ:
6.「安全な水とトイレを世界中に」
12.「つくる責任 つかう責任」
事業③:バイオ発電
合致するSDGsのテーマ:
12.「つくる責任 つかう責任」
15.「陸の豊かさも守ろう」
🔴訪れるところ:佐那河内村
合致するSDGsのテーマ:11.「住み続けられるまちづくりを」
事業①:新府能発電所
合致するSDGsのテーマ:7.「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」
🔴訪れるところ:第十堰、見守り地蔵
合致するSDGsのテーマ:
14.「海の豊かさを守ろう」
研修旅行3日目 🔴民泊
合致するSDGsのテーマ:
11.「住み続けられるまちづくりを」他
研修旅行4日目
🔴訪れるところ:平和資料館「草の家」
合致するSDGsのテーマ:
16.「平和と公正をすべてのひとに」
研修旅行5日目
🔴訪れるところ:前浜掩体
合致するEDGsのテーマ:
16.「平和と公正をすべてのひとに」
湘南学園高校の研修旅行は、「考える旅行」「感じる旅行」だということです。
さて、生徒諸君に期待することがもう一つあるのです。それは、「友との語らい」です。
旅行期間中にさまざまに考えることが、あるいは感じることがあるはずなのです。そういったことを、友人の顔を見て、目を見て、言葉にして語り合って欲しいのです。
LINEなどではなく。
研修旅行を通じて自分の心に浮かんだものを友人と共有して欲しいのです。
若い時代に友人と交わした言葉は、人生の中で大きな意味を持ちます。
そこに、もう一つの研修旅行の価値があるのだと思います。