第284回 第7回目を迎える「カナダセミナー」の魅力

2011年7月6日

  湘南学園中高では、国際教育の取り組みとして「カナダセミナー」「韓国セミナー」「オーストラリアセミナー」と、海外研修のプログラムを3か国対象で実施しています。このうち「カナダセミナー」は、7年前最初にスタートしました。毎回改善を重ねてすっかり定着したプログラムです。対象は高2・高1・中3の希望者となります。
 私は最初の下見と第1回の途中まで参加の経験があります。今日は当時のことも振り返りながら、セミナーの概要をご紹介します。

 カナダの西の玄関は、冬季五輪の行われた大都会「バンクーバー」です。そこから国内の航空便に乗り換え、ロッキー山脈を越えると、アルバータ州第一の大都会「カルガリー」に着きます。ここも冬季五輪の開催地です。そこからバスで移動すると、カナダセミナーの舞台となるベッドタウンがあります。

 その町は地味ですが、清潔で緑と花が多い町です。住宅街は平屋が中心で、地下室のある家も多いです。道を横断する時に「はるか先の方で停車して待ってくれる」行為が、多くのドライバーに共通することに感激しました。人口はそう多くないのに、町には立派な公営プールや歴史博物館があります。人びとの生活は意外なほど質素です。アウトドアの楽しみを大事にする暮らしがあります。夏の川でカヌーをする光景を目にしました。朝食を食べによく行ったバーガーショップのそばで「リス」にも何度か会いました。

 セミナーの午前中は、少人数制の集中レッスンで英語を学びます。午後は、現地の街や観光名所や大自然に親しんだり、異文化交流のディベートをしたり、様々なメニューが用意されます。地元の高校生や中学生が、レッスンも野外行動も「バディ」として同席・同行してくれることはポイントになります。
 「あのハンサムな彼と話してみたい!でも英語力はまだ弱いし」と悩む中3の女子達に頼まれ、こちらの英語力も不足なのに、バスで間に入ってサポートに努めました。「度胸とジェスチャーでアタック!」は手本を示せました。3~4日も経つと「急に相手の言っていることが判るようになってきた!」と手応えを語る諸君の様子が嬉しいです。

 このセミナーのホームステイは、今は「ツイン」が基本となりました。カナダの人びとは本当にフレンドリーで、我々アジア系への偏見や冷たい視線も無縁だと感じられました。夜9時頃も明るく散歩していたら、庭でパーティーをしていたお宅の人達が「こっちにおいでよ、一緒に食べよう」と誘われました。私も大好きなネコをいっぱい飼う農家のおば様と知り合いになり、翌年に日本のネコちゃん写真集をプレゼントして喜ばれた想い出もあります。
 セミナー先の近くには「カナディアン・ロッキー」があります。雄大で息をのむ山と湖と緑の絶景が目白押しです。「レイク・ルイーズ」など、またいつか家族とゆっくり来たい!と願うポイントがいくつもあります。すてきなお店がいっぱいある「バンフ」での買い物も欠かせません。最終日のバンクーバー市内めぐりも楽しみなことでしょう。

 今年も7月後半の2週間に実施されます。30数名の参加者の皆さん、どんどんカナダの人達に話しかけ、いっぱい観て、食べて、楽しんできてください。カナダは世界中から移民を受け入れ、「諸民族に優しい国」ともいわれます。社会や人びとの様子にも充分に目を向けて、いろいろ感じとって欲しいです。