第1411回 高等学校卒業式

2019年3月15日

3月9日、高等学校卒業式が行われました。

ご来賓、そしてご家族のみなさまが多数ご来校下さり、とても素晴らしい卒業式となりました。

吹奏楽の皆さんの奏楽は、集まる人々の心に響きました。毎年当たり前のように聴かせてもらっているのですが、とても感謝しています。みなさん、素敵な演奏をありがとう。

そして、在校生を代表して、次代を担う力強いメッセージを伝えてくれた高2の暁山君の送辞はとても立派でした。ありがとう。

卒業生代表の瀧川君の心のこもった答辞は、式場の人々の涙を誘いましたね。ありがとう。

卒業をしてからも、これまでに出会った人々との絆を大切にして行ってほしいと思います。みなさん、お元気で!

 

 

以下は、校長式辞の一部です。

 

校長式辞 

卒業生のみなさん、本日はご卒業おめでとうございます。

また保護者の皆さま、お子様のご卒業、こころよりお祝い申し上げます。

(省略)

卒業生のみなさんにとって、湘南学園で過ごした月日の長さは、人によってそれぞれですね。

6年、12年、或いはそれ以上の時間の経過があったわけです。

いずれにしても、湘南学園での時間が18歳になる皆さんにとっての何分の一なのかを考えると、人生の中の大きな部分を占めていることが分かります。

一方、ご家族の方々が、皆さんを見つめてこられた18年の月日のことを想うと、これまで本当にお疲れ様でした、と申し上げたいのです。これまで親御様としてお子様を見守られ、振り返れば、時には胸を痛められたこともおありだったのではないかと拝察いたしますが、今、こうして立派な若者に育たれたお子様の後姿を、目を細めながら見つめていらっしゃるのではないでしょうか。再度申し上げたいと思います。本当におめでとうございます。

それから、高3学年会の先生方、これまで本当にありがとうございました。さまざまなことが思い出されることと思います。これまでの先生方のご尽力に感謝いたします。

(中略)

さて、今日のご卒業以後、みなさんは次の舞台へと進みます。そのみなさんに、覚えていて欲しいことがあるのです。それをこれからお伝えしたいと思います。

 

皆さんは、昨年5月25日の総合学習の全体発表会のことを覚えていますか?

あの日、中高ホールでは、12名の学年代表となった高3のみなさんのスピーチが行われましたね。あらかじめ用意してあった原稿はあるのだけれども、自分自身の言葉で聴衆に語りかける発表者の姿に私はただただ感動していました。

石丸君の「日本中のグルメを食べ尽くして大実業家になる!」から始まり、「自分の夢」から「貧困」や「日本の経済成長」などの様々なテーマで次々と皆さんのスピーチが展開されていました。

みんな素晴らしかったですね。みんなきっと立派な大人になる、と確信しながら拝聴しておりました。

 

その中で、私は、小西君の発表に心を打たれたのを今でも覚えています。彼のテーマは、「人と人との関り」でした。彼は、出身小学校時代のことを語っていました。

 

学級崩壊があって、生徒の対応に悩んでいた先生。

そんな中、頑張るその先生を見ていてすごいと思ったこと。

そしてやがて、自分自身が小学校の先生になりたいと思ったこと。

人生で出会った最も記憶に残る大人であり、自分もそうなりたいと思ったことなど・・・・。

 

彼の話は、私たち聴衆を引き付けていきました。

 

そして小西君は結びの言葉として、このように語ってくれました。

「大切にしたいことは、人に対する感謝です。最近はありがとうと言えない子供が多いと思う。そして、私が一番感謝したい人は、6年間一緒に過ごしてきた人です。」

 

小西君は、このように同級生のみんなのことを温かい気持ちで見つめてきたのだな、と思いました。そして小西君の話に耳を傾ける高3聴衆のみなさんの温かい空気感。話す側も聞く側も素敵でした。6年間を通じて、一生の絆を作ってきた仲間たちなのだなと思うと、胸にこみ上げてくるものがあったのです。

 

社会の変化はめまぐるしく、先が見通せないと感じている人も多いのではないかと思います。皆さんが社会人になろうとするときに、皆さんを受け入れる社会がどのように変化していくのか、予測することは難しいかもしれません。

しかし、人に敬意を持つ気持ち、正義を貫く気持ち、間違ったことをしてしまったら潔く自分の非を認め、それを後の生活の中で改めていこうとする素直な気持ちがあれば、人生は何とかなります。

 

最後に、これからの人生の中で、つらいことがあった場合は友だちを思い出してください。母校に帰ってきてください。湘南学園とともに、私たち教師はここにいて、皆さんのことを想っています。

 

友は宝。母校は故郷。みなさんの未来に幸あれ。