第1420回 新倉先生の学級通信
6月13日(木)の朝礼で、ある学級通信(高校2年B組)を紹介しました。部活に寄せる思いが伝わってくるような内容でした。
この通信の筆者である新倉先生のメッセージは、「部活動も行事もそして勉強も、すべて生徒一人ひとりの人生の大切な宝物なのだ」というものだと、私は理解しました。
(以下、新倉先生の通信の文面です)
僕の話 ~部活動編~
5月12日(日)、僕が顧問をしているハンドボール部の高校生男女がインターハイ予選に臨みました。高校3年生にとっては部活動最後の集大成、いわゆる最後の大会です。そのうちの一試合の審判を務めさせていただきました。今回はそのお話です。
湘南学園の応援をしながら自分の準備を進めました。ハンドボールの審判はものすごく走ります。前後半25分ずつで、断続的に20メートル前後のダッシュを繰り返している感じです。途中で走れなくなったりすることのないように多めのスポーツドリンクを飲み、入念にストレッチをし、試合会場に入りました。試合会場では前の試合が行われていて、1点を争う大接戦となっていました。数点ほど離されてしまった方のチームが残り30秒くらいのところでタイムアウトを取りました。早くも泣いている選手がいます。監督が「まだ負けていない、泣くな!」と声を掛けています。結局そちらのチームが負けてしまったのですが、試合終了の瞬間まで全力でプレーする選手たちの姿勢は本当にカッコ良くて、試合後の会場は大きな拍手に包まれました。
次はペアのレフェリーと僕が担当する試合です。前半は競った展開になったものの、後半は点差が開いてしまいました。しかし両チームの選手は最後の最後まで全力でプレーし、とてもクリーンな試合を展開してくれました。ハンドボールは身体接触が激しいスポーツで、時としてラフプレーが顔を覗かせます。この試合ではそのようなプレーはほとんどなく、笛を吹いていて心地好さを覚えるほどでした。試合が終了し、負けてしまった方の選手は初めて顔を下に向けました。彼らの3年間が終わってしまった瞬間でもありました。
メンバー表でしか名前も知らない彼ら、ゼッケンでしか声を掛けなかった彼ら、その彼らの人生の1ページに関わることができたことは非常に光栄で、僕としても非常に良い経験をさせていただきました。今後出会う選手たちが気持ちよくプレーできるよう、そして自分自身が高い目標を持ち続けることが出来るよう、僕も自身のスキルアップを目指して頑張ります。・・・・・
(新倉先生の通信は以上です。)
(以下、当日の朝礼で、生徒諸君にお話をした内容です。)
引退、卒業・・・そういった節目や区切りを経験しながら、人は生きて行くのですね。
振り返れば、「自分はよくやって来たと思う・・・」「悔いはない・・・」という実感を持つこともあるでしょう。
そういう実感は、自分を励ましてくれますね。
その一方、「悔いがあるのだ・・・」という「ほろ苦い振り返り」をすることも結構あるのではないですか。
我が人生を振り返っても、実は、そういった「ほろ苦い思い」の方が多かったように思います。
みなさんの中に、そういう「ほろ苦い思い」をすることが多い人がいたら、私はその人に言いたいのです。
「自分のこれまでを振り返ってみて、苦い思いがあるのであれば、それを自分自身の課題に変えて、次の生活の中で果たしていけばいいのです。」
自分の経験は、悔いがあろうとなかろうと、みな宝物なのだと思います。その宝物を生かしていく知恵を持てばよいのだと私は思います。