第1425回 朝礼「自分の生きる道」

2019年9月6日

2019年8月31日(土)夏休みが終わり、全校生徒諸君が学校に戻って来てくれました。

一人ひとりが「それぞれの夏」を過ごしたのだと思います。これから秋に向けて、自分の未来を見つめながら元気に過ごしてほしいと願うばかりです。

(以下は、朝礼で生徒のみなさんにお伝えした内容です。)

 

 

みなさんは、湘南学園卒業後の進路について考えは決まっていますか?

 

高校を出たら大学に進学するんじゃないかな・・・

 

本校では、そういう人が多いのだと思います。

湘南学園にいると「高校を出たら大学に行くのが普通・・・」という空気が流れているような気がします。

 

でも…、そもそも・・・、その「普通」とは一体どういうものなのか・・・。

それが、自分自身が生きていくための「自分らしい道」と異なるものだったら、どう考えたらいいのか・・・

私は、みなさんにそれを問いたいと思っています。

 

みなさんは、タレントの中川翔子さんを知っていますか。8月18日、ある新聞に中川さんの記事が載っていました。中川さんには、中学校時代にいじめで不登校になった辛い思い出があります。新聞にはその時のことが語られていました。

 

(記事の一部を読みました。)

 

中川翔子さんは、辛い中学校時代を乗り越えて「自分の生きる道」を自分で見つけたのですね。

 

 

振り返ると、湘南学園で出会った生徒諸君の多くが大学に進学しました。ただ、その中で、大学進学の道を選ばなかった生徒たちもいたのです。

彼らは、「自分の生きる道」を真剣に探していました。

今日はそのお話をしますね。

 

1人は男子生徒のお話です。彼は、中学校時代から人気者で、スポーツも得意で活発な生徒でした。勉強も頑張る人で、成績もとても優秀でした。「充実した学校生活を送り、やがては希望の進路に進み、着々と人生の階段を上っていく人なのだろうな・・・」と思ってその生徒のことを見ていました。

 

ところが彼は高校卒業後の進路についてある決断をします。彼は、実は料理の世界にあこがれを持っていました。「料理人になりたい・・・」彼は、高校卒業後、大学進学の道を選ばず、料理の専門学校に入学することにしたのです。彼の周囲には、「大学に行けばいいのに・・・・」という声もあったのだと思います。しかし彼は、志したものから目を離しませんでした。

 

料理の専門学校を出た後・・・。いよいよ修行に出ます。彼が目指したのはフランス料理でした。彼は単身フランスに渡り、レストランで修業の日々を送りました。そして、その後もヨーロッパで数年間修業を続けました。

 

やがて・・・、帰国した彼は、修行で積んだ経験と自分の腕を頼りに、ついに自分のフランス料理のレストランを始めることが出来たのです。いまは人気のあるフランス料理のレストランのオーナーシェフとして幸福な日々を送っています。

どうですか。なんだかとても素敵な人生だと思いませんか。

 

 

次は、女子生徒のお話です。彼女は、幼いころからクラシックバレエに取り組み、高いレベルで努力していました。私も一度だけですが、彼女のステージを見せてもらう機会がありましたが、素晴らしい以外の言葉が出てこないほどでした。

 

彼女は、クラシックバレエに真剣に取り組みました。その結果、ついにヨーロッパへ行くことにしました。行くのなら、できるだけ早い時期が良いだろうと考え、高校中途退学を決意。直ちにスイスに行くことにしたのです。

 

スイスでは、国際バレエコンクールを目指し懸命に努力を重ねました。数年間のバレエ留学生活の後、やがて自分の力を信じてプロの道へ進もうと決意します。世界で戦う自信と決意を持っていた彼女は、ビジネスチャンスはアメリカにあると判断し、ニューヨークに渡ります。その後、さまざまな苦労も乗り越え、自分の力でチャンスをつかみ、現在ではプロのダンサー、そして指導者としてニューヨークやラスベガス等で活躍しています。立派ですね。

 

中川翔子さんには、辛い思い出がありました。ご紹介した二人にも「友人たちとは違う人生を決断する恐怖を乗り越える」という大きな挑戦がありました。ただ、彼らから共通に教えられるのは、本当に自分のしたいことを見つけて自分自身の道を生きることの素晴らしさです。

 

世間体を気にしながら生きるのではなく、本当の自分の生きる道とは何か?

 

これを自問することで何かが見つかるかもしれませんね。挑戦したいと思うことがあったら思い切ってやってみるのがいい。私はそう思うのです。