第1481回 湘南学園・創立88周年
湘南学園は1933年(昭和8年)に創設され、昨日の創立記念日をもって88周年を迎えました。人間の年齢に置き換えるなら「米寿」に相当するおめでたい日を、こうして無事に迎えることができたことに心より感謝しています。
昭和8年と言えば、日本が戦争に向けて突き進んでいった時代に重なります。そのような中で、わが子たちにはしっかりとした教育を受けさせ、豊かな心を持ち続けてほしいという願いを持った保護者の皆さんが、力を合わせて創設したのが湘南学園のはじまりでした。中学校・高等学校が生まれたのは戦後になってからですが、創設時の願いはそのまま引き継がれ、それぞれの時代に合わせた多様な教育実践が積み上げられてきたのが湘南学園中高です。私は、この88年の長い歴史のうち、34年という限られた時間しか関われていませんが、この学園で出会えた生徒の皆さんや保護者の方々に心から感謝するとともに、この学園だからこそつくり上げることができた学びの空間に、今改めて大きな価値を感じています。
保護者と教員、そして何より当事者である生徒の皆さんの主体的な関わりをベースに、お互いを尊重し合った真剣な議論を通して、時代に合った新たな教育を生み出していけるというのが、湘南学園の強みです。言葉を換えれば、多様性の理解と尊重、そして協働して物事にあたる姿勢など、これからの学校に求められている様々な要素が、すでにこれまでの歴史の中で脈々と受け継がれてきたのが湘南学園なのだと言ってもよいかも知れません。やがて訪れる90周年、そして100周年を迎える頃の学園生にも、そんな学園ならではの良さを引き継いでいけるように、これからも湘南学園らしい教育づくりを大切に進めていきたいと思います。