第600回 平和を求める志~中3研修旅行リーダー達の試み
先週、中3の研修旅行の委員を務めた諸君が、私の部屋を訪問してくれました。委員長を務めた柏木康太郎君ほか、委員会男女9名の皆さんです。
11月の中3研修旅行は、まず初日に広島で平和学習を行いました。被爆者の方々にグループ別にお会いして、当時の凄まじい体験やその後の苦難の道のりをじっくりとお聴きしました。平和公園や原爆ドーム前で想いをめぐらし、原爆資料館でその時の衝撃的な事実に向き合いました。
旅行より帰ってから、「自分たちも千羽鶴を折って現地にお供えしたい」との声が学年の生徒達から寄せられました。これを機に「研修旅行委員会」のスタッフの皆さんは、話し合って「千羽鶴委員会」と改称し、学年の生徒達に作成の協力を呼びかけました。各クラス・委員会の皆さんを紹介します。
A石原君、豊田さん B井之上君、下川君
C柏木君、河村さん、保田さん
D小山さん、澤田君 E佐々木君、森井さん
戦争と原爆で犠牲となった人びとを弔い、いまも苦しむ被爆者に気持ちを届け、より平和な社会の確立を念じよう。皆で千羽鶴を作って送ろうと働きかけたのです。そして合計2919羽もの千羽鶴が出来て束ねられました。「平和を祈って」と題する色紙とともに現地へ届けられます。
今回の研修旅行は、「持続可能な未来について考えよう」という研修テーマが掲げられ、瀬戸内の自然とその恵みの中で生きる人びとの暮らしや生き方から直接に学ぶ機会がいっぱい設けられた旅行となりました。
広島平和学習の後は、宮島自由行動、開発と脅威に直面した島を巡るクルージング体験も経て、周防大島などで2泊の民泊と様々なしごと体験がメインとなりました。
出発の新横浜駅集合では、学年全体を自分達でしっかり仕切ろう、リードしようという旅行委員諸君の気合いがビシバシ伝わっていました。
改めて今回その諸君に再会して、研修旅行の運営を頑張りきった達成感を聞くことができました。各クラスで友達と協力の輪が広がったこと。スリリングだった船上行動の様子。お世話になった民泊先とのお別れの場面での感動と切なさ。事前学習をしたとはいえ、被爆者のお話と資料館の見学で改めて強烈に戦争の現実と平和の尊さを学んだことを聞きました。
皆さんの表情は素晴らしく、頼もしく成長している姿にまた強い希望をもらいました。間近にせまる合唱コンクール、高校進学後の様々な学校・学年行事や特活・旅行などでまた主役となり、自主性と協力の輪を大いに広げて、更に実力ある青年に成長していって欲しいと願っています。心に残る取り組みを報告してくれてありがとうございました。