第622回 理科研究部~卒業生を講師に迎えるサイエンスカフェ
昆明市からお招きした、日本語を専攻する大学生との交流は、今日が最終日です。友好都市の藤沢市の諸団体からも全面的なご協力を頂き、昨日の神奈川新聞、今日の朝日新聞でも大きな記事で紹介して頂きました。今日の様子は、明後日にお伝えする予定です。
さて本日は、理科研究部が来週土曜日に行う、すてきな企画を紹介します。
理科研究部は、「サイエンスカフェ」の企画を継続的に設けてきました。科学に関する興味深い実験や講演を、部員でない在校生や学外の方にも気軽な雰囲気で楽しんでもらい、より科学を身近に感じてもらおうとする機会です。
今回は『組織培養のバイオテクノロジー』です。近年進歩が著しく、広く関心の集まるバイオテクノロジー分野です。部では海岸植物保全のための活動を外部の団体と連携して続けていますが、今年度は東京農業大学農学部の園芸テクノロジー研究室の雨木若慶教授から直接に実習指導して頂く機会がありました。その実習の助手に本校卒業生がいる幸運に恵まれました。そこで今回はその卒業生である梅田さつきさんを講師としてお迎えし、部員達が助手になって、組織培養技術の基本を体験実習してもらうことにしたのです。簡易クリーンベンチや培養素材、培地などを雨木教授にお願いして、ふだん学校の授業では出来ない実験を体験できます。
理科研究部は、この冬の合宿では「ラムサール条約登録湿地における冬鳥の観察」をテーマに伊豆沼方面へ出かけました。公的な助成も活用して「フィールドワークと合宿を利用した生物多様性教育による部活動の活性化」の取り組みを重視し、夏の合宿では千葉県鴨川市の大山千枚田で実施しています。
またさる12月には「新林公園における植生の観察」の会を設け、更には第1回サイエンスカフェで「稲の脱穀に挑戦2012~生物多様性のための復田の取り組みと持続可能な社会のための科学と技術~」を開き、自分達で田植え、稲刈り、天日干しを行ってきた上で、最後の仕上げに電力を消費しない脱穀に挑戦したのです。
年間を通した多彩な校外学習や実習を通して、地球環境の現実に向き合い、持続可能な社会に貢献する科学の使命について問題意識を深めるねらいが貫かれています。今後の活動にも大いに注目しています。