第212回 東北関東大震災を受けて~年度末予定を大幅に変更して終了

2011年3月19日

3月11日に巨大な地震が起こってから、日本社会は未曾有の危機に直面しています。
いくつもの市町村が壊滅的な被害に直面し、あまりにも多数の住民の方々が尊い生命を奪われました、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
全ての財産を根こそぎ奪われ、また原発事故の現場付近から大移動を命じられ、何十万人もの人びとが食料も暖具も乏しい場所での避難生活を余儀なくされています。一刻も早く援助物資が届き、平穏な生活にお戻りになれるようにお祈りするばかりです。

 

本校も当日は100名を越える在校生諸君が、我々教職員と共に校舎内で夜を過ごしました。本校へ避難された地域住民の方々も大勢いらして、PTA有志の方々は、夜通しで食事の用意などサポートにご尽力して下さいました。
その後も事態は厳しく、計画停電の実施に伴う市民生活の大混乱や原電をめぐる情勢などで、通常の学校運営は難しくなりました。県内の私学間の情報交換も重ねて検討し、生徒達の安全確保を最優先して、年度末予定の大幅な変更を行い、HPやメール配信でご連絡しました。17~19日に予定した登校日も自宅学習~休校に変更し、修業式など全ての重要行事の実施を見送り、成績関係資料や春休み課題など全ての文書を一括発送することにしました。部活動を始め、登校しての諸活動は4月当初まで中止とさせて頂きました。

 

大切な年度末の予定をこうした形で取り止めにすることは、きわめて切なく申し訳ないことです。生徒諸君には不自由な春休み期間となりますが、被災現地の皆様の生活と、援助や復興へ向けた様々な努力に、生徒諸君がしっかりと目を向け、自分達の生活とそれを支える存在を受けとめ直し、これからの日々を自覚的に充実させ、勉学に励むことを願っています。

 

さて、この校長通信も今年度は本日分で終了となります。おおぜいの皆様に読んで頂き、また励ましのお言葉を数多く寄せて頂きました。本当にありがとうございました。次年度も精進して、幅広い視点から「学園の活気と魅力」をお伝えしていければと願っております。
それではまた。皆様のご健康とご安全をお祈り申し上げます。

 

※ 全校の生徒諸君と保護者の皆様に今日付発送でお届けする今年度末のご挨拶をここでも掲載させて頂きます。


今年度の終了にあたってのご挨拶

すでに学園中高ホームページとメール配信などでお伝えしましたように、年度末予定を大幅に変更して、今年度を終了させていただきました。
中学校修卒業式や高校終業式、進級指導を始め、重要な予定をすべて中止せざるを得ず、生徒諸君及び保護者の皆様方には、改めてお詫びを申し上げます。

 

3月11日に想定外の巨大地震が発生してから、1週間以上が経過しました。
被災地域は宮城、岩手、福島を始めとして東日本全域にまたがり、未曾有の大災害はまだその全貌がつかめません。お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げるとともに、安否不明の皆様がひとりでも多く無事で確認され、避難された皆様への緊急援助が一刻も早く届くことを祈っております。
ここ数日は、福島第一原子力発電所をめぐる情勢も予断を許さない状況が続いています。一刻も早く安全復帰への見通しがつき、遠隔地への避難を余儀なくされた住民の方々が故郷にお戻りになれることを願うばかりです。

 

大震災の当日は、多数の在校生が部活動などで300名近く登校しておりました。困難な状況の中で保護者のお迎えを頂きましたが、最終的に100名以上の在校生が、我々教員・事務職員とともに校舎内で夜を過ごしました。不自由な環境の中で、先輩達が後輩達を支えて皆で乗り切ろうと声かけ、様々なサポートで協力してくれました。本当にありがとうございました。また大津波警報の発令を受けて、学園へ避難されて夜を過ごされる地域住民の方々も、大勢いらっしゃいました。

 

PTAの方々には、夜中から早朝にかけて来園して頂き、辻PTA会長を先頭に炊き出し、おにぎりや味噌汁の用意、住民の方々への対応でご尽力して頂きました。近隣の皆様から多大な感謝のお言葉を頂いております。また多数の保護者の方々から、来園時の差し入れや援助のお申し出などで様々なお力添えを頂きました。ここに重ねて御礼申し上げます。翌朝JRと小田急線の回復をめどにして藤沢駅までの集団下校を行い、生徒諸君を無事にご家庭へ帰宅させることができました。

 

学校としての最終判断につきましては、計画停電の継続実施に伴って生活や通学にかかる支障をふまえて、また他私学の対応に関する情報等も集めた上で、本校の立地と在校生の通学環境、来月にかけての措置などを総合的に判断して、17日の段階で最終決定をいたしました。
クラスや学年ごとに生徒諸君が皆で顔を合わせる時間の大切さを考えると、特にこの春から新たな進路へ旅立たれる諸君のことも想起されて、この決定については申し訳なく思うばかりです。しかし多様な通学ルートの在校生にかかる通学上の心配や、指定日に登校できない生徒諸君の事後対応の困難を考えると、また原電をめぐる現在の厳しい情勢も念頭におくと、やはり無理な判断はできないと考えました。在校生諸君の安全確保を第一として、最終判断をした次第です。
計画停電が来月以後も続けられる場合には、新年度の行事予定の見直しも必要になっていくと考えられます。これ以後の情勢の推移をふまえて、来月の早い段階で必要なご連絡を申し上げます。

 

ホームページの掲載内容と重なりますが、念のため重要な連絡事項について書面でもお伝えしておきます。

1.学年末試験成績表と通知票、中学卒業証書、皆勤賞、学年通信、春休み学習課題、学園だより等の年度末配布物、次年度向けの諸連絡などをここに一括してお届けしております。新年度の教科書配布・販売は4月当初に順延します。

2.次の登校日は、次年度始業式の4月7日(木)となります。
高校生は9時、中学生は10時までにアリーナ集合としていますが、変更がある場合には4月4日(月)に改めて連絡します。例年同様に新しいクラスを確認し、それぞれ始業式を行います。
その後まず旧学年のクラスへ戻って作業があります。その後新学年のクラスに移ってHRとなります。旧学年の荷物および新学年の教科書などが重なりますが、当日の指示に従って対応して下さい。4月4日までの間は、学校での諸活動、生徒登校を禁止とします。

3.クラブ活動は、春休み中の4月4日(月)まで全て中止とします。その後の扱いについては4月4日にご連絡します。重要な大会、公式戦や発表会、演奏会についても中止とさせて頂きます。
これまで練習を共にした仲間達と目指していた大きな目標を失うことになり、誠に申し訳ないばかりです。けれども当日へ向けた練習日等の確保についても同時に困難になる中で、やむを得ない判断として、ご理解をお願いいたします。

4.22日羽田発の韓国セミナーは予定通り実施します。ただし直前ミーティングの実施も見送り、担当教員から個別の諸連絡を受けて行います。

在校生の皆さんへ、改めて呼びかけます。
ご家庭によっては、被災地方面に親類や知人がいらして、心配されている方々がおられることも伺っています。厳しい寒さの中、食料も暖具も恵まれぬ避難場所で懸命に支え合って暮らしておられる住民の皆さんの姿が、刻々と報道されています。皆さんはどうご覧になっていますか。
今回の大震災は、日本の社会が経験する戦後最大、数百年に一度と呼べるような深刻な事態です。被災地域の事実に目を向け続けましょう。また現地で援助や復興へ向けて懸命の活動をされている様々な人びとの姿から学び続けていきましょう。我々教員も同様と受けとめています。援助や復興はこれから長期間にわたって必要となります。私達がこれからどんな関わりを持てるかも考えていきましょう。
当たり前と思っていた私達の生活が、いかに貴重で有り難いものかを身をもって考え直す機会にもなったのではないでしょうか。この機会に自分のいのちと安全を支えてくれる周囲の存在を受けとめ直し、感謝の念を新たにして欲しいものです。

 

不便な生活がしばらく続きそうですが、この春休みの期間を大切に過ごしていきましょう。部活動や遠出などが出来なくて時間の使い方には悩むかもしれません。だからこそこの期間の貴重な時間を、有効に使っていきたいものです  特に春休み中の諸教科の学習課題、自分で考えた自主学習については改めて自覚を持ち、頑張ろうと心決めして取り組んで欲しいと思います。健康と安全にはくれぐれも気をつけて下さい。ご家族の方々によく協力して、お手伝いもこれまで以上に心がけて、それぞれが充実した生活を築いていくように強く願っています。