第654回 「自己紹介カード」の工夫
「春眠暁を覚えず」という名句を、この時期いつも思い起こします。
生徒も教員も、新学年・新学期が始まった忙しさと緊張感から、疲れがたまりやすいものです。気温が上がり日照時間が長くなってきて、生活と身体のリズムがいろいろ変わりやすいこともあるのか、たしかに起床のつらさが筆者も身にしみる日々です。
夜遅く、新中1のある担任の先生が、部厚いファイルをずっと熱心に読んでいました。何かと思ってのぞくと、全クラスで新入生に書いてもらった「自己紹介カード」が、クラス別出席番号順にきれいに綴じられていました。
B5一枚ですが、手書きの温かさや親近感があり、記入が楽しくなる構成でした。「名前」、「クラス・番号」、「誕生日」、「ニックネーム(あれば)」、「似顔絵(?)」「得意なこと・よく知っていること:イチオシ~~は私/僕にお任せ!!」、「好きな食べ物」、「好きな動物・理由は?」、「好きなもの・好きなこと」「最寄りの駅~線~駅」、「英語について英検もってる?はい(~級)・いいえ」、最後に「フリースペース」となっています。
内容でわかる通り、英語の先生です。初めてクラス担任を持つ若いスタッフです。学年の生徒達に対して、それぞれのプロフィールをきっかけに接点を広げていこうとする意欲が頼もしいです。また授業では経験豊かなベテランの先生と組んで、始まったばかりの英語学習をぐんぐん軌道に乗せていくことでしょう。
この小さなカードには、優れたアイデアや工夫があるなと感じられました。出会ったばかりの生徒達とのコミュニケーションを促すセンスにあふれています。“それっていいね”と、他の学年の先生方もコピーしたりして参照しているようです。